暑い夏は博物館の企画展で心静かに涼みませう |
2019.7/30〜9/8 *夏の企画展は終了 しました |
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リニューアル工事を終えた第一展示室(先史・古代)が、いよいよ オープンしまして、2019年(令和元年)は、新しい第一展示室と 夏の企画展が同時に楽しめる貴重な夏になりました。 この夏の企画展は、題して 「もののけの夏」 入場料は、企画展込みで一般600円大学生250円高校生以下は 無料です。 またお得情報ですが、JAFの会員証提示でなんと 団体料金になるとのことで、一般350円で入場できました。 |
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第一展示室は、以前に比べ、当時の生活をわかりやすく再現。 復元人形の展示が多く、ハリウッド映画の「ナイトミュージアム」 のような感覚を味わえます。 学術的な文字の多いパネルよりは、 子どもも楽しめてよいのではないかと思いました。将来、 研究者になる子が出てくるかもしれません。楽しみです。 フロア上に映る映像を、タッチすることにより変化を見せる、 タッチレスポンス型が導入されたら、もっと盛り上がるでしょう。 |
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一番の目的は、もののけの夏展。ひんやりしましょうと思いきや、 小さなお子さんたちがお化け屋敷と勘違いし、意外と騒がしい・・・ 江戸時代や明治期の名絵師による「物の怪」を描いた作品が 展示してあるのです。パパ・ママもおじいちゃま・おばあちゃまも、 お子さんが小さすぎる方は、もう少しお待ちになると、 ご自身もじっくり鑑賞できましょう。 |
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ここからは、この手の企画展に興味をお持ちになった方へ。 事前に「稲生(いのう)もののけ録」や「画図百鬼夜行」を調べ さらに鳥山石燕(とりやま せきえん)・歌川国芳・月岡芳年 ・河鍋暁斎などの絵師や秋田出身の国学者平田篤胤などまで 下調べすると、もっともっと楽しめるでしょう。 今、日本のアニメ―ションは、世界で高評価を受けていますが、 鳥獣戯画図からずーっと日本の絵師たちは、本当にうまい。 たとえ妖怪図でも、本物を是非見て欲しいです。 * 2019年夏の企画展は終了いたしました。また来年の企画に期待しています。 |
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2018.7/10〜9/17 |
佐倉市の国立歴史民俗博物館は夏向け企画が 秀逸。この夏の企画展は、 「ニッポン おみやげ博物誌」 お化け妖怪の類ではありませんが、 旅のお土産の変遷って、興味深いでは ありませんか。 企画展・常設展込みの代金は 大人一人830円 ところが、JAF会員割引で「560円」 安すぎる!!! これに気付かないと、お得を逃しますので、 お持ちの方は是非ともご提示ください。 |
石器時代などの第一展示室は、展示替えの為 工事中ですが、常設展の中で一番のおすすめは、 第4展示室です。サブタイトルは「民族」。 2013年にリニューアルされたとのことで、 タッチパネルなど表示も新しく、 自然への怖れから始まり、郷土や家庭内に伝わる 儀式やそれにまつわる調度品などたいへんに 興味深い。中でも、「妖怪の世界」なんてのは 洒落が効いていて、子どもも大人も楽しめます。 また、近現代の第5・第6展示室も必見。 部落差別の根深い闇や、戦時中の遺品など 心に重くのしかかる展示もありますが、 黎明期の団地モデルルームや家電、 テレビのCM作品など中高年には懐かしくて 思わず会話の弾む展示群があります。 |
肝心のお土産展ですが、 一昔前のペナント類とか 懐かしさ満載なんですけれど、一番驚いたのが、 左写真中央の舞妓さんが炬燵に当たっている置物。これ、秘宝なんです! 古より、かみさんに内緒で男の組合旅行なんぞに行き、うひうひ買うてきたに違いなく、世の男のなんと変わらないこと! 笑いを抑えられません。 |
広い国立歴史民俗博物館を半日、 涼しく十分に遊んだところで、もう一丁。 おもしろいもの好きがおさまらずに 大人になってしまった方々(私も)に、この夏、 このような企画も興味深い! 国立科学博物館の「昆虫展」。 Eテレ番組“昆虫すごいぜ”でお馴染みの カマキリ先生(香川照之さん)全面押しの 昆虫展を是非いかがでしょう。 夏休みが終わり、少し静かになったあたりを 狙って、大人の夏を堪能したいものです。 期間は10月8日まで、お見逃しなく! |
2015.6/27〜9/6 * 好評を博し展示終了しました * ** 残念ながら見逃してしまったあなた様 埼玉県蕨市の河鍋暁斎記念美術館で 天才の画にお会いくださいませ ** |
幕末から明治期にかけ活躍した天才絵師、 名は「河鍋暁斎(きょうさい・・・暁と書いて実際 狂の字を当てたかったといわれる)」。 当代きっての浮世絵師歌川国芳の弟子にして 後に正統的狩野派の技量も修得したド天才絵師の 展覧会が、東京丸の内の三菱一号館美術館で 始まりました。 |
今回は暁斎の弟子にして親友の英国人ジョサイア・ コンドル作品との共展示。ジョサイア・コンドル といえば、鹿鳴館や岩崎邸・古河邸、ここ三菱一号館 などを設計した超有名英国人。東京駅の設計者 辰野金吾の師でもあり、日本近代建築の父ともいえる 大人物です。その大人物が、師と仰ぐのが河鍋暁斎。 先進の異国人に仰がれるとは、只者ではありません! |
この暁斎、正統的日本画も描きますが、 好んで描いたのは、妖怪画や動物画の数々。 左のような薄暗い廊下を進み、縦書き百鬼夜行図や 鳥獣戯画をモチーフにした蛙合戦図など、風刺遊びの 展示に次ぐ展示・・・楽しいったらありゃしない! TSUTAYAの暖簾コーナーよろしく春画コーナーも あり、大人はまったく飽きません。 |
画鬼の名を冠する暁斎のすごさ とともに、弟子コンドルの画力 にも目を見張ります。 周辺の緑も目の涼に適しますし この夏一番のおすすめ展覧会 でしょうか。三菱一号館へ、 東京駅ご利用の方は是非とも! |
** BSテレビで取り上げられるなどこちらも 好評裏に展示が終了いたしました またの機会に お・あ・い・し〜ま〜しょ〜 ** |
暑いから美術館をハシゴしてしまおう!!という方へ 上野の東京芸術大学内の地下2階展示室では、 7/22〜9/13迄「うらめしや〜、冥途のみやげ」展 と称する、三遊亭圓朝の幽霊画のコレクションの 展覧会を開催しています。観覧料は大人1100円。 前述の暁斎はじめ、応挙・国芳・北斎・松園など、 そうそうたる画家たちの描いたもの哀しげな画で 残暑を吹き飛ばすのもいいかと存じます。 |